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Mujinのビジネス
Mujinデパレタイズロボットの特徴を解説
Mujinの主力商品の1つである、物流向け「デパレタイズロボット」をご紹介します。
「デパレタイズ」とは?
デパレタイズとは、積まれた荷物を下ろすこと。物流倉庫の入庫工程では、ダンボールの積み下ろし作業が発生することが多くあります。500mlのペットボトル24本入りのダンボールであれば13kgほど。これを何百個・何千個も下ろしていくのは、負担のかかる作業です。
帝国データバンク 人手不足に対する企業の動向調査 (2019年4月) によると、運輸・倉庫企業の68.5%が人手不足と回答しています。少子高齢化が進む中で、こういった身体に負担のかかる作業の人員を確保するのは年々難しくなっています。
ロボットを使った自動化の難点
それならロボットとで自動化しよう!という話なのですが......。
従来ロボットというのは事前に設定された動きを繰り返すものでした。そのため製造業の加工工程など、同じものが決まった位置に流れてきて、同じ作業を行うといった反復工程には強いものの、臨機応変に対応が必要な工程では利用が難しいとされてきました。
物流倉庫では、何千種類ものダンボールを扱っており、その形や大きさもさまざま。日々新しい商品も出てきて、扱うダンボールは入れ替わっていきます。また、複数種類のダンボールを積む際にはその積まれ方もばらばらです。ばらばらに積まれたものをロボットでデパレタイズしようと事前に動きを設定するにも、分岐が無限に発生してしまい難しかったのです。
そこでMujinは、見て考えて動く知能ロボットを実現しました。事前設定を必要とせず、その場で最適な動きを計算して実行するので、複雑な工程でも柔軟に対応できるようになりました。
Mujinデパレタイズロボットの仕組み
Mujinロボットは、下記のコンポーネントからできています。対応する工程に合わせて、最適なものを組み合わせます。
ロボットアーム = 身体
主要ロボットメーカー各社のロボットと連携
3Dビジョン = 目
Mujin独自開発
ハンド = 手
Mujin独自開発
独自の「ロボット知能化技術」により、これらを知能化してまとめて動かすことで、高性能デパレタイズロボットを実現しています。
Mujinデパレタイズロボットでできること
ロボット知能化技術があると、どんなことができるようになるのでしょう。
①マスターレスで積み下ろし
事前にダンボールの情報をマスターデータとして登録せず(マスターレス)に、ロボットが最適な速度で積み下ろしを行うことができます。
そもそもマスターデータは本来どうして必要なのでしょうか。ロボットはダンボールの大きさや重さに応じて、速度を変えながら動きます。軽いものは速く運搬して効率を上げたい一方、重いものや縦型のものなどは、速く運搬しすぎるとダンボールの落下や破損に繋がる恐れがあるため、スピードを抑える必要があります。ロボットがその判断を行うために、事前にダンボールの柄・形・重さをデータとして登録しておけば簡単です。目にあたる3Dビジョンでダンボールを認識するだけで、どんな内容なのか把握ができるからです。
しかし、ダンボールのマスター登録作業は運用上負担がかかるもの。新商品が出る度に、人の手によって計測しデータ登録しなければなりません。さらに、人が行うと計測ミスやデータ入力ミスも発生し得ます。間違ったデータが登録されてしまうと、ロボットはそのデータに基づいて動くため、商品を落としてしまったり潰してしまう可能性もあるのです。
アームもハンドも知能化されているロボットは、新しい商品が来た際には、持ち上げ時に重さと高さを計測します。これにより、どの柄のダンボールはどういった重さ・高さなのかを自動でマスターとして蓄積していきます。そうすることで、次から同じものが来た場合には、最適な速さで運搬するよう自動で調節して動くようになります。
マスターレスで動かしているからこそ、急に「Red Bullをいただいた!」という場合も問題なく対応することができるのです。
②世界No.1のスピード
ロボットは事前に決められたものではなく、その場で計算して滑らかで効率的な動きをとるので、圧倒的なスピードを出すことができます。
現在、混載(複数種類が一緒に積まれている状態)の場合には最高850個/時、単載(一種のダンボールのみ)の場合には最高1,200個/時積み下ろすことができ、世界最速となっています(当社調べ)。もちろん扱うものの大きさや重さ、工程の複雑さによってスピードは変わってきますが。そして日々の研究・開発により、スピードはより速く進化し続けています。
人間だと、通常1時間あたり500~600個積み下ろすことができると言われているので、瞬発力で見ても人間を超すスピードを実現することができました。さらにロボットは24時間稼働することができるため、処理能力を上げることができます。
③「考えて動く」必要のある複雑な工程の自動化
例えば、2019年12月の国際ロボット展でお披露目した「マルチピック」。スピードを上げるために、世界初の2個取りを実現しました。2個とって向きを揃えながら1つずつ置く、という作業は、一見単純に見えてもロボットにとってはとても複雑な作業です。都度最適な動きを計算しながら動いているからこそなせる業です。
④見分けが難しいダンボールも対応
高度な3Dビジョンで、一般的に見分けるものが難しいと言われているものも高精度で見分けます。また、複数のダンボールがまとめられている場合やダンボールの真ん中にテープが張ってある場合など、見るだけではどこまでを1つとして扱ってよいか判別がつかない場合もあります。そういった場合には、少し持ち上げてみてハンドにかかる力を力覚センサーが感知して、重心がずれている場合には取り直すといった動作も行います。
3Dビジョンやハンド、ロボットアームをすべてまとめて知能化し動きを計算しているからこそ、こういったロボットにとっては難しい工程も自動化できるようになりました。
⑤掴むことが難しいものは特性ハンドで
大型の紙袋やポリ袋は、ダンボールを掴むための通常のハンドでは扱うことが難しいため、専用の「バッグハンド」を開発しました。
また、コンテナなど上面がない箱は吸着という方法を取ることができないので、淵を掴む独自開発の「コンテナハンド」を使用します。
さまざまな領域で使われるようになりました
「デモレベルではなく、現場で役立つものを」Mujinのデパレタイズロボットは、様々な業界で実際の現場で利用されています。
①最先端のスーパーマーケット物流センター
某首都圏スーパーマーケットチェーンの物流センターにて、重量物(飲料・油・調味料等)の積み下ろしをロボットで自動化した事例です。重いものの運搬をロボットに任せることで、全体の生産性向上に繋がりました。
「Mujinの技術には、他社にはない可能性の広がりがあると感じた」とご担当者様からコメントをいただきました。インタビューは、こちら からご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=_lDRd9vANBQ
②マスターレス&ティーチレスで荷下ろし作業を完全自動化(株式会社坂塲商店様)
一般家庭用品(消耗品・家庭紙・家庭雑貨)や業務用品を取り扱う卸総合商社である株式会社坂塲商店様では、過酷な労働環境の解消という目的で、出荷時に仕分け機に投入するための積み下ろしを自動化されました。
「各社を見て回っても、ダンボールがランダムで積まれている場合は不可能だと言われていた」「Mujinを知り、内容・費用・能力を聞いて、その場でほぼ導入を決めました」ご担当者様のインタビューは こちら。
https://www.youtube.com/watch?v=xkfs4sQEf-M&feature=emb_title
今回は、Mujin主力商品の一つ、デパレタイズロボットについてご紹介させていただきました。日々進化を続けるMujinのロボットにこれからも着目いただけると嬉しいです。
Mujin Story - これまでの歩み
Mujin Story #4:製造から物流に踏み出したきっかけ (2014-2016)
2011年に創業し、10年目を迎えたMujin。その創業期や成長の過程秘話をMujin Storyとして数回に分けてお届けしていきます!
Episode 4「製造から物流に踏み出したきっかけ」。 2009年の国際ロボット展で運命的な出会いを果たした創業者。Mujinを創業するまでの道のりは決して楽なものではなかったものの、2011年に創業し、世界から仲間を集め、難題を乗り越えながら調達・プロダクトの開発を進めました。前回の記事はこちら。Mujin Story #3:世界から集まったドリームチームとMujinプロダクトの誕生
今回は、2度目となる資金調達、そして物流に参入したきっかけやその歩みをご紹介します。
2度目の資金調達
本社も開設し、人集めもプロダクト開発も軌道に乗り始めた2014年8月。Mujinは、総額6億円のシリーズB資金を、前回から引き続き東京大学エッジキャピタル(UTEC)と、今回新しくジャフコ(JAFCO)から調達しました。 ジャフコと出会ったのは、2012年。それからジャフコは2か月に1回くらいのペースでMujinオフィスに足を運んでくださいました。投資いただいた当時、20社以上のベンチャーキャピタルが候補として挙がっていましたが、その中でジャフコを選ばせていただきました。オファー額はトップではなかったものの、決め手となったのは「一番信頼できた」から。
よくMujinに足を運んでくださったジャフコは、現場主義を大切にするMujinのカルチャーとの親和性が高かったのです。 (当時の詳しい話は、対談記事「産業用ロボット」でガレージからグローバルへ 技術ベンチャーの挑戦【MUJIN 滝野 一征 & JAFCO】で。)
初の主力製品「ピックワーカー(Pick Worker)」をリリース
2015年1月、Mujinはついに初の主力製品となる「ピックワーカー」の販売を開始しました。今までロボットを動かすには、動作を教えること(ティーチング)が必要でしたが、製品をロボットに接続すると、ティーチングなしに、状況に応じて最適な動きをとるようになります。 これにより、例えばティーチングに1年以上かかっていた製造業の部品のピッキング工程を、数週間(今では1日)で自動化できるようになりました。
https://www.youtube.com/embed/czB7VHWogz8
翌年2016年には、「第7回 ロボット大賞 経済産業大臣賞」を受賞。たった30人弱のベンチャー企業が、名誉あるロボット大賞を受賞するというのは、異例のことでした。
Isseiの、初の受賞スピーチはこちら。
Mujinは、創業当初から一貫して産業用ロボット分野にぶれずに注力してまいりました。なぜならロボットをより知能的に、より使いやすくするMujinのティーチレス技術こそがロボットの活用範囲を広げ、市場の拡大、生産現場の生産性や品質の向上、ゆくゆくは日本はじめ先進国がかかえる少子高齢化という問題に対して、必ずや新しい価値を創造すると確信していたからです。この度賞を頂きましたMujinコントローラピックワーカーも、ティーチレス技術によってロボットが自分で見て、動作を高速で考えることができるようになれたことで、実際に産業の中で膨大な割合をしめる、単調なピッキング作業をロボットが担えるようになりました。その結果貴重な人資源をよりクリエイティブな仕事にまわし、全体の生産性を向上するという、新しい価値を実際に生み出しはじめております。Mujinはご存知のとおり、世界のトップエンジニアだけで構成される、たった30人のベンチャー企業であります。カーネギーメロン、スタンフォード、MIT、パリ大学、東京大学、北京大学、清華大学、その他10国籍の多国籍チームが生み出す高い技術力と、現場のプロによる現場力が融合した会社として、今でこそ少しは人に知っていただける存在にはなりましたが、わずか5年前はまだ何もなく、アメリカから単身日本にやってきたロセン博士に私が説得され、2人で文京区小石川のガレージを改装した44平米の場所で、テーブル2つ、ラップトップ2つで事務所を開いたのが始まりでした。現実主義の私と根っからの技術者のロセン博士では、バックグラウンドや考え方がまったく違うため、意見はまったくかみ合わず、衝突は日常茶飯事。その上やっと作った商品が生産現場で役に立たなかったり、会社の資金が底をつきそうになったりで、「このビジネスはやっぱりだめか」と、客先からの帰りの車の中で2人意気消沈して、何度も諦めそうになりました。しかしそのたびになんとか乗り越えてこれたのは、「このモノづくりの中心地・日本でロボット自動化による技術革新を起こす。自動化で人々の生活の質をよくする」という2人の決意、信念があったからだと思います。初志貫徹するという一貫性と、不可能を一切認めないというタチの悪い頑固さを、私はCTOのロセン博士から学びました。ここまでくるまでには相当色々ございましたが、当時こんなに大変だとわかっていればやらなかったかもしれません。ただ、今では素晴らしいチームメンバーと、日本の太志ある企業の皆様と共に意義あることに挑戦できる、貴重な機会を頂いたことに大変感謝しております。今回を含め、歴代の受賞者の多くは、製造業、物流業、農業という、日本が世界に誇る産業の中で活動しておりますが、悲しいことに、俗に3Kとも言われる、あまり若い方々が自ら進んで働きたくない産業でもあります。しかし製造業は、GDPの大部分を占める、国の主要産業であり、人の生活に直結する、大変重要な、我々若い世代が命をかける価値がある産業です。それを思うとき、まさしく我々ロボット企業には2つの使命があると思います。1つは当然、ロボット自動化技術の革新により世界中の生産性を向上させること。2つめは弊社が成功することにより、戦後の日本のように、若い優秀な人材を、この素晴らしい製造業に再度呼び込むことです。今回の受賞も、受賞者単体の話ではなく、この重いロボット産業でこれから戦おうとしている、チャレンジャー企業、研究チームへの励みになるものと信じております。社会貢献の信念がある会社には、世界から良い人材と技術が集まります。良い人材が集まれば、チャレンジ精神のあるパートナー企業様が集まり、その結果価値ある商品ができます。今日本にできつつあるこの良い流れを、より大きい大河にしていくため、私達一同の取り組みはこれからも変わりません。それは、技術革新により持続可能な事業を興し、その事業により社会に貢献します。これは今回の受賞者共々、皆様同じ気持ちで各事業に取り組まれているものと思います。だからこそ、従来は難しいと言われていた介護、農業、エンターテイメント、医療その他分野にも、見てのとおりロボット実用化の兆しが芽吹いております。私達一同は今回の栄誉を励みとし、これからもなお一層の研鑽を重ね、人々の生活の質向上のため、それぞれの活動に引き続き邁進してまいりたいと存じます。
2度目の本社移転
前回の移転から約1年経った2015年8月、事業拡大に伴い湯島から本郷へ本社を移転しました。
前の湯島本社と比べ、ようやくきちんとしたオフィスらしくなってきました。3.6倍の広さとなりスペースの余裕も生まれ、もう次の移転は遠いだろうとメンバーたちは当時感じたそう。(実際には、このあと2年経たずに手狭となり、また移転をするのですが......。)
ついに看板が!広くなったオフィス。コーポレートカラーのオレンジの壁。ロボットルームもできました!会議室も立派に。みんなでランチを食べるカフェテリアもできました。
物流参入のきっかけ:アスクル様との出会い
ピックワーカーの発売と同時期。Mujinに、法人向けオフィス・現場用品を販売する大手企業アスクル様から1通の問い合わせメールが届きました。「物流倉庫でティーチレスのロボットを実現できないか模索しています。」 今でこそ物流の人手不足は再三メディアにも取り上げられていますが、当時はまだほとんど着目されていない時代でした。しかしアスクル様は当時から先を見据えており、ECの取引先が増える一方で人口減少が進み、今後倉庫内作業のための人手確保がどんどん難しくなる、といち早く危機感を感じ、動き出されました。倉庫作業の中でも、一番人手が必要だったのがピッキングの作業でした。 ...
Mujinカルチャー
ビジョン と 7つの新バリュー: Mujinメンバーが大切にしている価値観
今回は、Mujinのビジョン(目指す世界)とバリュー(行動指針)をご紹介します!
2011年小さなガレージからスタートしたMujinは、これまで不可能であった複雑な作業のロボットによる自動化を実現してきました。現在、メンバーは100名を超え、中国にもオフィスを構えています。様々なお客様先でMujinのソリューションが使われるようになり、事業を拡大していく中でも、創業期から大切にしてきた「Mujinカルチャー」は変わらず存在しています。
今回会社が急成長していく中で、メンバー一丸となってビジョンの実現に向かうべく、カルチャーを明文化し、7つのバリューを定めました。改めてビジョンと共に、Mujinバリューをご紹介します。
Vision - ビジョン
Liberate humans from manual labor to make them focus on creativity, innovation, and making the world a better place.人々を過酷な労働から解放し、創造・イノベーション・世界をよりよくすることに注力できる世界を実現する。
Value - バリュー "Think Like...
Mujinメンバーに話を聞こう
【動画あり】ロボットを動かす、Mujinソフトウェアエンジニアの魅力とは ~社員インタビュー ビジョンエンジニア × テストエンジニア編~
Mujinメンバーに話を聞こうシリーズ!ソフトウェアエンジニアとして活躍する、Kazutoさん&Kouさんが、ビジネス紹介メディアBiz9からインタビューを受けました。
ロボットに携わる「ソフトウェアエンジニア」とは、バックグラウンドの異なる二人がなぜMujinに入ることになったのか、などそれぞれの視点からお話ししています。ぜひご覧ください!
https://www.youtube.com/embed/1FW90fHDuyA
動画に入りきらなかった2人の熱い思いや、Mujinに入社するために重要なスキルなどの耳より情報も含めた対談記事も、以下公開しています!
Kazutoさんは、東大のロボット研究で有名な情報システム工学研究室(JSK)卒業後、大企業を経てMujinへ入社。現在ソフトウェアエンジニアの中のビジョンを担当しています。 Kouさんは、東大の大学院博士課程で物理を研究していましたが、中退してMujinへ。現在リードソフトウェアテストエンジニアとして働いています。
ーー さっそくですが、Mujinにはさまざまなソフトウェアエンジニアがいますよね。
「ロボットを動かすソフトウェアエンジニアって一体...?」とイメージつかない方も多いかと思います。Mujinには、ロボットの制御・フロントエンド・バックエンド・そして私のやっているビジョン・Kouさん率いるテストを担当するチームのなどがあります。ロボットを動かすには、どの分野も横断的に関わっていく必要があります。ソフトウェアだけではなく、ハードウェアや電気、メカなども絡んできます。一つでも欠けると、ロボットは動きません。
そう、どの分野も密接にかかわるので、それぞれのテクノロジーを各チームが理解していないといけません。それが大変であり、面白いところでもあります。
ーー お二人はどんなことをやっているんですか?
私が所属しているビジョンチームでは、いわゆるロボットの目にあたる部分を開発しています。 ロボットが動くには、まず環境を把握しなければなりません。センサーを通して、ロボットが扱うべきものの位置や姿勢、また周辺の状況を認識させます。
私はソフトウェアテストチームのリードをしていますが、私のチームではあらゆる分野のテストを担当します。幅広い分野がお互いに関わり合い、そして複数のコンポーネントが並列に走ります。さらに、ハードウェアも絡んでくるので、外部環境によるノイズや違いも顕著に現れます。なので、テスト自体の難易度が極めて高いんです。 ロボットをテストするために、まずテスト自体の開発が必要になります。テスト用のシミュレーターやハードウェアの準備も必要です。その上で自分たちでテストをしたり、各チームがテストをできるようなテストツールやテスト手法を開発したりします。
Kouさんとも話す機会、多いですよね。 各コンポーネントが関連し合っているので、チーム間のコミュニケーションもとても大切なんです。私はロボットの目を担当していますが、脳にあたる制御分野で作業することもあれば、フロントエンド分野での問題解決をすることもある。ハードであれソフトであれ、詳しくならないといけません。
ーー では、もともとロボット開発に携わってないと、やはり厳しいのでしょうか?
Kazutoさんは、大学からずっとロボティクスに関わっていましたが、私の場合は違います。物理専攻だったため、プログラミングは好きでしたが、ロボット分野は未経験でした。もともとロボットのことが分からなくても、入社して自分で勉強すれば力を発揮できるのはMujinの魅力ですね。自分のコードで、ハードウェアを動かせるのは、ソフトウェアで完結する世界とはまた違ってわくわくします!
ーー Mujinに入社したきっかけは何ですか?
大学時代は、東大のJSKというロボティクスの研究所で、家庭用ロボットを研究していました。大学院卒業後は、大手自動車会社の研究所で、引き続き家庭用ロボットのR&Dを5年ほど行っていました。そのとき思ったのは、ドラえもんのような家庭用ロボットはまだまだ実現には遠い。能力・コストの両面で、実用的なものを社会に出すために乗り越えなければならないハードルがたくさんある、ということ。実際に社会に役立つロボットを、自分の手で世の中に出していきたい。今ある技術で達成でき得るのは、ある程度コントロールされた環境下で使うロボット。製造や物流現場は、ロボットの周りに柵もあって、人の出入りも制限されており、家庭と比べると圧倒的に外乱が少ない環境です。そんな環境でも、まだまだロボットでできないことがたくさんある。まずはそこから始めて、ロボットをちゃんとビジネスにしつつ、技術の発展とコスト削減に貢献していきたいと思いました。その延長線上に、より高度なタスクをこなすロボットの実用化が見えてくると思っています。色々なロボット会社を見たのですが、実際にお客様にとても近く、本当に役立つものを出している、という点でMujinに惹かれました。そういったロボットの会社って実はなかなかないんです。またCTOのロセンは、昔同じ研究室にいたことがありました。彼の並外れた技術力は知っていたし、今でも自分でコードを書きながら、お客様とも対面して突き進んでいるCTO。この人と一緒だったら面白いものをつくれるに違いない!とも思いました。
博士課程で物理を研究しているとき、ふと空を掴むような感覚になりました。何か人に役立つことをやりたい、そう思うようになったのです。研究を辞めて社会に出る人って一定数いるのですが、社会のためになることをしたい、という人が多いように思います。ちょうどMujinが少し有名になり始めたタイミングだったので存在を知り、ここだ!と応募を決めました。世の中に貢献したいという理由で入社したメンバーがMujinには多いですね。
ーー 実際に働いてみて、どうですか?
自分が書いたコードが実際に現場で動き、お客様の役に立っているのを目の前で見ることができます。デモではなく、本当の現場で大規模に動いているのを見ると、感慨深くなりますね。Mujinがソリューションを提供している物流・製造現場って、今本当に人が足りない状況なんです。今まで技術的に不可能だったために人がやらざるを得なかった重労働をロボットが代わりにできるようにする。そうすることで、仕事が楽になった、生産性があがった、という声をいただけるのは嬉しいです。
デモであれば30分くらい動けばいいのですが、Mujinは365日動かなければいけないものをつくっています。それだけ動かしても、安定していなければいけません。それは難しさが全く違うのです。実際にお客様先での実作業をしているため、ロボットの異常はお客様の利益損失に直結します。異常が発生したときは、即座に復旧させると同時に、二度と同じことが発生しないようその原因を徹底的に解明しなければなりません。また、現場で実用たり得る速度を達成する必要もあるので、パフォーマンス・安定性の両方をかなり高いレベルで実現しなければなりません。ロボット業界で、これをやっている会社は少ないですし、世の中の役に立ちながら、かつ、自分の技術力も伸ばせる会社はそうないと思います。
Mujinの文化として、誰もやったことないことに対して、どんどんチャレンジをしていこう、というものがあります。自分で考え、自分で新しいものを生み出していけるのも大きな魅力だと思っています。
大企業だと部署も細分化されていますが、Mujinはまだまだ人数も多くありません。課題に対して決まった正解がある訳ではないし、誰かがやってくれるだろうではなく、自ら主体的に改善提案をするしかありません。いいものであれば即採用され、お客様先で自分がつくったものが動くというのは、とてもやりがいがあります。
ーー Mujinのソフトウェアエンジニアとして大切なスキルは、何だと思いますか?
Mujinは海外からのエンジニアも多いので、英語が得意でないと難しいのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、英語を伸ばしたい!という意気込みさえあれば、そこは問題ありません。仕事やランチの時間などで英語を話す機会は、入社後いくらでもあります。私も入社前、英語よりも技術を研鑽することに重きを置いていました。技術があれば、周りにも認めてもらうことができ、対等に仕事をしていくことができます。そしてMujinに入社してからは、英語のコミュニケーションが格段に増え、十分英語力を伸ばすことができました。
ロボティクスの経験や英語は、もちろんあればプラスですが、入社時には必須ではありません。それよりも、高い技術力・世に役立つものを生み出すことへの情熱・自ら考えて動く力が大切だと思います。Mujinは、これまで技術的に不可能だったことを可能にし、現場で使われるソリューションを生み出している会社です。それはもちろん簡単なことではありません。このビジョンに共感し、情熱を持って一緒にやりたい!と思ってくださるエンジニアの方に集まっていただけると嬉しいです。
ーー Kazutoさん、Kouさん、ありがとうございました!
Life at Mujin - Mujinの日常
最先端ロボットセンター併設!イノベーションが生まれるMujinオフィスをご紹介
ビジネスの急拡大に伴い、Mujinは昨年2019年に本社移転を行い、江東区辰巳に新オフィス兼ロボットセンターを開設しました!その広さ、14,303㎡。前回のオフィスと比べ、8.5倍以上もの大きさとなりました。
ロボットセンターを併設したこのオフィスには、随時ロボットが運ばれてきて、開発・調整・テスト等を行います。そのため、業務用エレベーターや高い天井は必須。オフィスも大きな倉庫を改造して造られました。
今回はその新オフィスの一部をご紹介します。
▼レセプション
オレンジとグレーで統一されたレセプションエリアは、Mujinのデザイナーが手掛けたもの。コーポレートカラーであるオレンジが目を惹きます。これまでいただいた賞やトロフィーも飾られています。
▼ロボットソリューションデモエリア
レセプションを抜けるとまず目に入るのが、複数のロボットです。こちらはデモエリアとなっていて、Mujinが提供している自動化ソリューションの一部を常時お客様等にご覧いただけるスペースとなっています。常時実際のロボットソリューションが展示されているオフィスは都内でも珍しい環境です。
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▼エンジニアリングラボ
ガラス張りの壁や、コミュニケーションが取りやすいよう工夫されたレイアウトなど、執務スペースもこだわりがつまっています。高スペックのPCやモニター配布など、各自が働きやすい環境整備を心がけています。
▼ロボットイノベーションセンター
エンジニアフロア横から見える、ガラス張りの部屋がロボット開発エリア。ここには常時100台前後のロボットが置かれており、新規開発やお客様先へ導入するための調整やテストなどが行われています。常にロボットを触ることができるこの環境は、エンジニアにとって夢のような場所。日々ここで新たなイノベーションが生まれています。
▼プロダクションエリア
ハードウェアチーム専用のエリア。プロダクション工程が行われています。集中して作業に取り組むことができるよう、整備されています。実はお掃除ロボットもこの部屋の中で動いています。
▼カフェテリア
大きなキッチン、カフェテリアスペース。Mujinシェフのつくる、多国籍ビュッフェを毎日楽しむことができます。(フレンチシェフの作るMujinのフリーランチ)
食後はリフレッシュスペースでゲームを楽しんだり、おいしいコーヒーを飲んでリラックスしたり。(カルチャーを体現する「Mujinこだわりのコーヒー」とは?)
ランチタイムは、チームを超えて色々な人とコミュニケーションを取ったり、卓球やテレビゲームなど好きなこと楽しんだり、大切なリフレッシュの時間となっています。
▼トレーニングジム
仕事に没頭していると、ついつい身体を動かすことを忘れてしまいがちです。健康の維持そしてリフレッシュのためにも、新しくオフィス内にジムがオープンしました!
このようにMujinのオフィスは1年経った今でも日々進化しています。メンバーそれぞれが主体性を持って会社を作り上げていくというベンチャーカルチャーだからこそ、必要だと思うことがあれば意見を出して、形にしていくことも可能です。
今後ともアップグレードしていくMujin本社の様子、お届けしていきます!
Life at Mujin - Mujinの日常
カルチャーを体現する「Mujinこだわりのコーヒー」とは?
Mujinのバリューの一つに、「Pursue the Highest Quality(最高品質の追及)」があります。現場で使われる実際のソリューションを提供している会社だからこそ、常に最高品質のものを出すことへ、こだわりをもっていなければなりません。
この考え方は、Mujinで提供されるコーヒーにも体現されています。
Mujinオフィスでは、挽きたてのおいしいコーヒーをいつでも楽しむことができます。このコーヒー文化はMujin創業時からあるもので、CTO Rosenのこだわりにより実現されました。
Rosenは真のコーヒー好きとして知られています。それは彼がUCバークレー大学1年生のときでした。それまで1日12缶もコーラを飲むコーラ少年だったRosenに、転機が訪れました。昼下がりの教室。薄暗いライト、ブンブンと音を立てているプロジェクター、永遠と続くかのような教授の単調な話... ふっと学生たちの気を遠のかせるのにはベストな状況。「授業に集中したい、でも...」誰しも学生のときに一度はそんな経験をしたことがあるのではないでしょうか。
そこでふとコーヒーを一口飲んだRosen、ぱっと意識が戻ってきたのを感じました。コーヒーを飲むと、自分は一気に集中できる!と、彼は気づいたのです。そこからというもの、コーヒーは彼の生活の一部となりました。「おかげで大学4年間の内容は、メモを取ることなく、すべて覚えている」と言います。後に「モーションプランニングの権威者」とも言われるようになったいわゆる天才Rosenは、コーヒーなくして存在しなかったのかもしれません。
Mujinを創業するときRosenはIsseiに、「オフィスではいつも挽きたての一流品質のコーヒーが欲しい」とリクエスト。まだ机2つの小さなオフィスで、です。「インスタントコーヒーとかではなく、街なかのおしゃれなコーヒーショップで出される一流の味でないと」常に最高品質にこだわるカルチャーは、ここにも反映されていました。おいしいコーヒーをオフィスに置く背景には、「メンバーの時間はとても貴重」という考えもあります。コンビニやカフェにわざわざ行かなくても、おいしいコーヒーを飲みながらメンバーみんなが集中して業務に取り組み、高いアウトプットを出せるよう、効率を考えてのことなのです。
Mujinにある全自動JURAコーヒーマシンは、一流レストランでも使われている最高級のもので、もちろんアメリカーノやカプチーノ等、選択可能。Rosenはいつもブラックコーヒーです。いつでもベストなコーヒーを味わえるよう、マシンは毎日清掃され大切に扱われ、社内では「Rosenの子供」と呼ばれるほどです。
コーヒー豆にももちろんこだわりが。Rosen自ら新しい豆の選定を行うことも。
現在の豆は、ブラジルパッセイオ農園から直に取り寄せたもの。ここの農園では、農薬を極力使わず、ブラジルでは珍しく丁寧に手摘みで収穫しています。コーヒーの味は、豆そのものの品質だけでなく、新鮮さや焙煎のタイミングによっても大きく変わってきます。こちらでは、Mujinのオーダーを受けてから焙煎し、新鮮なコーヒー豆のみを提供してくださっています。
こだわりのコーヒーを、朝の始まりに味わったり、ランチ後のデザートと一緒に、または仕事の合間のリフレッシュに楽しんだり。コーヒーマシンの周りは、メンバー同士がばったり会って会話が生まれる場にもなっています。ちょっとした立ち話でクリエイティブなアイディアが生まれたり、何かの解決に繋がったり。私たちにとってコーヒーはただただ楽しむだけのものでなく、生産性を向上したりイノベーションを生むきっかけともなっているのです。
「お気に入りのカップで飲むコーヒーが一番おいしい」というのもRosenの考え。Mujinに入社をすると、初日にMujinグッズが詰まったプレゼントが渡されるのですが、その中にもちろんMujinマグカップも入っています。いつでもおいしいコーヒーや紅茶などが楽しめる環境を入社初日から楽しむことができます。
オフィスにいながらおいしいコーヒーやフレンチシェフの作るMujinのフリーランチが楽しめるのは、メンバーにとって単純に嬉しい環境ですが、それは「メンバーの時間は貴重」「最高品質にこだわる」「コミュニケーションを大切にする」といったMujinカルチャーが体現された結果なのです。
Mujin Story - これまでの歩み
Mujin Story #2:本格始動までの道のり (2011-2012)
2011年に創業し、間もなく10年目を迎えるMujin。その創業期や成長の過程秘話をMujin Storyとして数回に分けてお届けしていきます!
今回は Episode 2「本格始動までの道のり」。
2009年の国際ロボット展で運命的な出会いを果たした創業者のRosenとIssei。Mujinを創業するまでの道のりは決して楽なものではありませんでした。前回の記事はこちら。Mujin Story #1:創業者 RosenとIsseiの出会い今回は、そこから起業・初めてのお客さま獲得・資金調達までのストーリーをご紹介します!
ついに起業を決意
まだ事業構想も固まっていない段階。その検証をするため、日本とアメリカを駆け回り、ロボットメーカーや製造業の企業へMujinの技術をピッチしていきました。革新的な技術。これまでの常識を覆すようなソリューション。もちろん簡単に受け入れてもらえるものではありませんでした。
それでも各社を回ることで、多くの知見や事業戦略の改善点を得ることができました。日本へ帰国後、RosenとIsseiはその学びを元に、デモのブラッシュアップを重ねました。毎日朝の3時までデモの開発を進める日々。そんな生活を半年ほど続けたのち、ついに会社を興す決心をしました。最初の資金は自分たちで持ち寄った100万円。2011年7月、こうして正式に会社を設立し、「株式会社MUJIN」をスタートさせました。(※2021年2月に株式会社Mujinへ社名変更)
社名は「無人化」と「無尽蔵」を掛け合わせたもの。(詳しくは、Mujinロゴに込められた想いとは?~ CTO Rosen インタビュー~で触れています。)
Never Give Up, Never Surrender
ある日、2人は大手ロボットメーカー、デンソーウェーブ様の前でデモをするという絶好のチャンスを得ました。もちろんそこに向けて全力で開発を進めていきました。しかし、実現しようとしていることも容易いものではありません。本番の日が迫る中、なかなかデモが動いてくれない...。どうしても、と事情を説明し、デモの日程を2週間延長してもらいました。
その2週間が終わろうとしているところ。依然デモは動かないまま。再度日程の延長をお願いすることなど、もうできません。ついに、デモが動かないまま当日を迎えてしまいました。会場までIsseiが車を運転をし、その助手席で開発を続けるRosen。車内には緊迫した空気が流れます。
「20分でいい。会話をつないで時間稼ぎをしてほしい。」RosenはIsseiに頼み込みました。
そして迎えたデモ本番。IsseiはMujinの可能性についてプレゼンを始めました。なるべくたくさん話して引き延ばして... 時々Rosenの方に目を向けますが、必死にパソコン画面と向き合い、準備ができている状態ではありませんでした。
会場の方々もさすがに事態を察し始め、ざわざわ。さすがにこれ以上は延ばすことができない。そう覚悟を決め、Isseiが謝罪をしようとしたそのとき、Rosenがデモのスタートボタンを押したのです。そして奇跡的にもデモが動き出し、成功に終わりました!
この話は社内でも語り継がれており、この時の「Never Give Up, Never Surrender」(最後の1秒まで諦めない)という精神は、今のMujinを支える大事な企業文化となっています。
初めてのお客さま
デンソーウェブ様から助言を受け、その年末の2011国際ロボット展にて、1テーブルで、でデモ展示を行いました。MUJINとして正式に、初のお披露目となりました。ロボット展のわずか2日前、思い立ったIsseiは、白いTシャツを2枚購入し、オレンジ色で「MUJIN」と刺繍を入れ、最初のユニフォームまで完成させました。
気合を入れて臨んだ当日。そこで、Mujinにとって最初のお客様となるキヤノン様に出会うことができました。Mujinは小さな創業間もない企業だったにも関わらず、革新的な技術を使うことを前向きに捉え、信じてくださり、一緒にプロジェクトをやりたいとおっしゃってくださいました。当時キヤノン様は工場の自動化を計画されていて、ロボットの位置と軌道を最適化するソフトウェアが欲しいとのこと。2012年、Mujinは記念すべき最初の受注を得ることができました。
初めての資金調達
ソフトウェアで完結するビジネスと比べ、ロボット事業における会社運営にはさらに資金が必要となります。Mujinもこれから事業を進めていく中で、資金調達をする必要がありました。
Isseiは複数のファンドにコンタクトをとりました。ちょうどリーマンショック後、経済は落ち込み人員削減が進んでいるところでした。工場は自動化を進める気力もなくクローズダウン。そんな情勢の中、Isseiが門を叩いたベンチャーキャピタルからは、「そんな製品は役立たない」と言われることがほとんど。彼らにとっては、短期で1度に大きなリターンがあるようなアプリケーションやゲームビジネスの方が扱いやすい。Mujinのような地道な準備を重ねる必要のある重工業スタートアップは、あまり魅力的には映らなかったのです。
「正直かなり落ち込んだ。」とIsseiは言います。帰りの車はいつもお通夜ムード。にも関わらず、Rosenの方はIsseiにいつもこう言っていました。「とてもいいミーティングだったと思う!僕の技術を知ってもらえた」Rosenの技術に対する自信は確固たるもの。Isseiも、一度やると決めたら最後までやりきると覚悟を決めていた。「地獄までRosenと共に行く覚悟はできていた」とIsseiは振り返ります。
そんな強い覚悟も伝わり、Mujinの壮大かつ社会貢献性の高いミッションに共感し、検討して下さるベンチャーキャピタルが数社出てきました。ちょうどその頃、東大でポスドクをやっていたRosenが東京大学エッジキャピタル(UTEC)のことを知り、彼らにもプレゼンをしに行きました。
UTECのスピード感は他と比べて圧倒的でした。他が1か月以上かかるような検討プロセスも、デューデリジェンス含めて短期間で完了。すぐに資金がないと困る、という状態ではありませんでしたが、そのスピード感は一緒にやっていく上で大切だと思い、一緒にやっていくことを決めました。
そうして2012年8月、Mujinは東京大学エッジキャピタルから7500万円のシリーズA資金を調達し、いよいよ本格的に歩み出しました。
続きを読む ⇒ Mujin Story #3:世界から集まったドリームチームとMujinプロダクトの誕生
Mujin Story - これまでの歩み
Mujin Story #1:創業者 RosenとIsseiの出会い (2009-2011)
2011年に創業し、間もなく10年目を迎えるMujin。その創業期や成長の過程秘話をMujin Storyとして数回に分けてお届けしていきます!
初回 Episode 1は「創業者 RosenとIsseiの出会い」。アメリカ人の天才研究者Rosenと日本人のセールスエースIssei。二人はいかにして出会い、Mujinを創立することになったのでしょう。
違うバックグラウンドを持つ2人の創業者
Mujinの共同創業者でありCTOであるRosen。University of California, Berkeleyを首席で卒業し、修士を飛ばして Carnegie Mellon Universityで博士号を取得。「モーションプランニング技術」の権威者と言われています。
小さいころはゲーム作りに興味があったというRosen。しかし大学へ進むと、「世の中をよりよくしたい」そんな想いが強くなっていきました。「確固たる技術力はある。でもそれを使ってどんなことに貢献できるだろう」そんなことを考えていました。
一方、もう一人の共同創業者でCEOのIssei。大学時代をアメリカで過ごした後、伝説の投資家と言われるウォーレンバフェットが好きだったことから、彼が買収したイスラエルの会社ISCARに興味を持ち、入社。製造現場で使われる切削工具メーカーです。
当時からトップセールスとして活躍していたIsseiは、順風満帆なキャリアを歩んでいました。
始まりは2009国際ロボット展
今から約10年前の2009国際ロボット展。そんな2人が運命的な出会いを果たします。ロボットソフトウェア ROS でも有名なWillow Garageという企業のインターン生としてRosenは参加。Isseiは知り合いの頼みで、その日営業としてその企業を手伝うことになりました。
一緒にブースで立っている中で、RosenはIsseiのビジネスセンスにピンときたと言います。ものごとの本質・顧客のニーズを捉える能力。「なにか始めるのであればIsseiと一緒だな」そうRosenは確信しました。
確信とは裏腹に
そこからRosenはIsseiに「一緒にビジネスをやろう!」と持ちかけます。しかし、そこには具体的なビジネスプランもありません。Isseiは、現職にも満足をしているし、丁寧にお断り......。
しかし、Rosenは諦めませんでした。国際ロボット展を終え、アメリカ帰国後もIsseiに連絡を取り続け、ビジネスをやろうと訴えます。
そしてあるとき、大阪の実家までIsseiを訪ねてきたのです。その姿勢を見たIsseiは、「成功するかは分からない。でも、こんなにしつこくて情熱があるなら、失敗しても一緒にまた頑張れるかな」そう思い、一緒にビジネスをやることを決意しました。ビジネスなんて最初から全部うまくいくことなんてほとんどない。失敗したときに、立ち上がれるかで成功が決まる。パートナーを組むならこのくらいエネルギーのある人がいい。そう思ったのです。
この技術は必ず世のためになる
「たった一度きりの人生。価値のある仕事に真剣に取り組み、世の中に少しでも貢献したい」バックグラウンドは全く異なる2人でしたが、共通する想いがありました。
「ロセンの技術がすごいことはよくわかる。でもどういう形で世に出せば、一番社会のためになるのだろうか」事業構想を検証するため、日本のロボット会社や工場へ話をしにいく作戦を立てました。
しかし実際のところは、すぐに厳しい現実に直面。まだ会社も設立していない2人がいきなり出向いても、なかなか話は聞いてもらえません。
「当時は製品なんてありません。ましてや会社名さえなく、何も実績のない若者2人が企業の経営層を訪ねたところで、なかなか話は聞いてもらえません。ようやく話ができたところで、君たち2人がロボットをティーチレス化する?信じられない、と帰されてしまった」とIsseiは振り返ります。門前払いの日々が続きました...。
話を聞いてくれるのであれば、どこにでも会いに行く。そんなスタンスで、お盆休みを利用して渡米。
Isseiが運転をして、Rosenは車酔いを我慢しながら、横でデモンストレーションのためのプログラミング。アポも取れはじめ、意気揚々と各社へ話しに行きました。
しかし、実際に回ってみると、ほとんどの企業から否定的な意見が。「40年間我々がやってきてできなかったことを、そんな2人ができるはずがない」心から2人のことを心配して、辞めた方がいいと、親切心で言って下さる方もいました。考えていたより簡単にはいかない....。
その中でも試行錯誤を続けた2人は、色々な企業と話す中で徐々に手ごたえを感じ始め、「この技術は、必ず世の中のためになる」と、確信を強めていきました。
続きを読む ⇒ Mujin Story #2:本格始動までの道のり
Mujinメンバーに話を聞こう
「世の中の役に立つものを自分の手で生み出す」小さい頃からの夢でした ~ 社員インタビュー インテグレーションエンジニア編 ~
Mujinメンバーに話を聞こうシリーズ!今回はインテグレーションエンジニアとして活躍するNoriさんにお話を伺いました。東大のロボット研究の名門 情報システム工学研究室(通称JSK)を卒業し、大企業を経て昨年Mujinへ参画。そんな輝かしい経歴にも関わらず、とてもフレンドリーで気さくなNoriさん。楽しくお話しさせていただきました!
ーー さっそくですが、Noriさんはどうしてロボットやインテグレーションに興味を持ったのですか?
小さいころからものづくりが好きでした。父と一緒に家の庭にウッドデッキをつくったり、棚をつくったり、車をいじってみたり。ヒトに役立ち・わくわくさせるようなものづくりを仕事にできたら面白いだろうなぁ、と幼少期の経験から思うようになっていました。
東大に入学した時点でも、ものづくりに携わる建築系や機械系に進もうと決めていました。大学1年生のときの講義や研究室見学などを通じて、建築は職人・芸術の要素が強い分野。機械系の中でも特にロボットの分野は、まだまだ技術的に発展途上で、これまでにない価値を世の中に提供できる可能性の秘めた領域。そんな印象を持ち、ロボット系へ進むことを決めました。
中でも数ある研究室からJSKを選んだのは、「ロボットが一番動いていた」から。単純に聞こえるかもしれないけれど、これは一つの軸としてとても重要なことだと思っています。社会実装されて使われるためには、動いて仕事をしてこそのロボット。机上の研究にとどまることなく、動かすこと・どう実装するかにフォーカスしていたところが魅力に感じて決めました。小さい頃から「実質的に世の中に役立つものをつくりたい」という気持ちが漠然とあったので。そこでは、ロボットの中でもハードウェア・メカトロニクスを専攻し、ヒューマノイドの新たな機構制御や設計手法などを研究していました。
ーー これまでどんなキャリアを歩まれてきたのでしょうか?
大学院卒業時の就職活動の軸は、「ロボット技術の実用的な応用」。研究していた知識を活かして、産業として実用的なものを生み出したい。ただ、産業用ロボットは考えていませんでした。成熟している領域なので、研究していたことを新しく応用するのは難しいだろうなぁ、と思い。
結局、「メカトロニクス技術の実用化」というところに主眼を置いて、半導体製造装置メーカのメカトロニクス技術部へ就職を決めました。半導体領域は成熟していますが、性能の向上が求められていて、自動化が究極的に図られる領域。タクトタイムを改善し、システムの信頼性を向上させダウンタイムを少なくするという点で、自分のロボット技術が活かせると考えたからです。
実際入ってみて、大企業での製品化工程に携わることができ、信頼性の高い設計や製造技術など学べることが多く、充実した日々過ごすことができました。
しかしあるタイミングで今後どういう人材として生きていくべきかと考えたときに、「ロボットの製品化に携わりたい」という思いがやはり自分の中で強く残っているなぁ、と気づきました。
そこで、ロボット企業の製品企画・エンジニアリング部へ転職を決断。産業向け人型ロボットの商品化に携わることになりました。お客さんのヒアリングをして、ロボットを設計して、実際に製品化する、といった一連の作業は、とてもやりがいがありました!
特にFace to Faceで現場からのフィードバックを聞きながら、ロボットの機能を検討する仕事でしたので、フィールドにおけるロボティクスの一番やりがいのある部分を経験することができました。
ーー Mujinへ興味をもったきっかけは?
前職で働いていたとき、やりがいは感じていたものの、お客さんの大半は研究機関や大企業の研究部門など。実際のソリューションを提供してビジネスとして利益を生む、という段階にまでは至れていない部分もありました。
「どうやったらロボットが崇高なものでなく、手の届く技術として、世の中に役立たせることができるんだろう...」そんなもやもやした気持ちを抱いているところでした。
たまたまMujinで働いているJSKの先輩と飲みに行ったときにその話になり、「1回オフィス遊びに来たら?」と声をかけてもらいました。
転職というところまでは考えず、誘われるがまま気軽にランチ時間にMujinに遊びにいってみました。すると、パンを片手にエンジニアと営業と立ち話しているCTOのRosenがいました。ロボット技術でできることと世の中で求められていることを本音でぶつけ合っている会話が目の前で行われていたんです。しかも、世間話をするがごとく。「ロボットを本当に役立つ製品として、世に出すための会話が自然とされている!...すごい!」もやもやに対する回答は、この環境なんだ!と一気にMujinへ入りたくなってしまいました。
ーー 実際にMujinに入ってみてどうですか?
「もう本当に楽しい!!」
お客様の問題解決のために自分が時間をつかって考えたこと・取り組んだことが形となり、実際の現場で稼働している!それもいくつもの現場で。お客様の喜ぶ顔を見たり、現場で稼働している姿をリモートのカメラからでも見たりもできるので、いつも達成感を感じます。
またMujinのよいところは、能力次第でたくさんのことを任せてくれる点でしょうか。今入社して10カ月程度ですが、普通の企業の10年分くらいの経験を積んでいるような実感があります笑。
そして周りにも本当に優秀なエンジニアが多いので、多くの学びがあります。一方オープンな雰囲気でもあるので、ほどよい緊張感の中仕事をすることができています!
ーー Mujinではどういうお仕事を担当されているんですか?
システムエンジニアリング本部というところに所属しています。部署としては、受注案件に対してシステムやレイアウト構成・ロボット調整~システム据え付け・立ち上げサポートまでを行うところです。
その中でも、私はメカニカルエンジニアとして働いていて、新規のハンド設計やシステムレイアウトの検討、駆動機器などの機器選定などを行っています。新規案件のグリッパ設計なども行っているので、その場合には、構想から始まりプロトタイプ試作検証、部材選定・調整、製品設計、動作検証にいたるところまで色々なことを行っています。
大学・前職の経験も活かされていると思います。JSK時代にはメカトロニクス専攻でしたが、インタプリタ言語を使ってロボットを実験で使ったりしていたので、Mujinのロボットシステムを理解するのに役立っています。また前職を通して得た製品化の経験・設計技術力・ロボティクスの知識なども最大限に活かせていると思います。
実は、2019年末のiREXでも展示をした、世界初の段ボールを2個どりする積み下ろしロボットのハンドや先日プレスリリースをしたファーストリテーリング様用のロボットセルも、メカ部分の試作~設計~検証などを担当しました。これが実際の現場で24時間運用されていくというのは嬉しいですね。
ーー Mujinのカルチャーはどう感じますか?
新しいことにチャレンジできる環境と自由奔放な雰囲気がとても気に入っています。人数は多くなってきましたが、他部署のソフトウェアエンジニア・PM・営業・バックオフィスの人たちとコミュニケーションが自然にできる環境は大好きです!
あとは、CTOのRosenの「問題に対して真向に向き合う姿勢」が会社全体のカルチャーとなっているのがいいな、と思います。
お客様のところで何かトラブルがあったとき、その場しのぎで機能をごまかすということはせず、解決するのに必要な技術は積極的に取り入れて、根本解決に向かうTOPの姿勢にはいつも刺激を受けています。
ーー 大企業とMujinを両方を経験したNoriさん。新卒でMujinに入社するという選択肢はどう思いますか?
大企業とMujinではそれぞれ良し悪しがあると思います。大企業では、おおきな会社の体系だったものごとの進め方など学ぶことができ、それは糧になっています。
一方大企業でうまく評価されるには、どうしても技術力の高さだけではなく、コミュニケーション力やプレゼン力というのが必要になってきてしまい、必ずしも技術力が高い人が評価される訳ではありません。
Mujinであれば、自分の技術の強みを実世界に直接適用することができ、その成果を実感することができます。Mujinには、まだまだやれていないことがたくさんあるので、自分の技術を使って唯一無二の経験をしたい、手を動かして新しいこと・困難なことを実現して世の中を変えていきたい、という方にとってはとてもよいと思います。
今はソフトウェアエンジニアに限らず、様々な採用枠があるので、やりたいことがマッチすればとてもよい環境になり得ると思います。
自分の技術を存分に使って、世に役立つものを自分の手でつくりたい!という同じ想いを持った方に入ってきてもらえると嬉しいです!
一緒に未来をつくりましょう!
ーー Noriさん、本日はありがとうございました!
Mujinでは、一緒に働くメンバーを積極的に採用しています。ぜひこちらからご応募ください!
Life at Mujin - Mujinの日常
フレンチシェフの作るMujinのフリーランチ
今回はメンバーみんなが大好きな、フリーランチについてご紹介します!Mujinでは、なんとミシュランレストラン出身のフレンチシェフがつくる、バラエティに富んだおいしい多国籍ビュッフェを毎日楽しむことができます。
Mujinは創業時から、ランチはコミュニケーションの場として大切にしています。カフェテリアに集まって、おいしい料理を一緒に食べると、部門の垣根を越えて会話が弾みます。新しく入社したメンバーも、このランチ時間を通して自然と色々な社員と交流し、すぐに馴染みやすい環境ができています。また、普段仕事でなかなか接しない人との会話の中で、情報をキャッチアップしたり、思わぬイノベーションに繋がったりと、ビジネスの加速にも繋がっています。
20カ国以上の社員が在籍しているので、各国の文化の違いで盛り上がったり、お互いの言語を教え合ったり、Mujinならではの環境でもあります!英語を強化したいメンバーには、週1回「SPEAK & LUNCH」という英語を練習する場にもなっています。(英語を練習しよう!SPEAK & LUNCH)
さて、実際どんなランチが提供されるのか気になるところだと思います。今回はその一部をご紹介します!MujinシェフのHideyoshiさん。もともとはフランスとイタリアで修業され、ミシュランを獲得したフレンチレストランでも働かれていた凄腕シェフ!でも料理はフレンチ・イタリアンに限らず毎日バラエティ豊か。和食、中華、メキシカン、韓国、タイ、インド、ロシア....。クリエイティブな創作料理もあったりと、毎日新しい料理に出会うことができます。
多国籍企業のため、パンが主食の人もいれば、ご飯が主食の人もいる。揚げ物好きもサラダ好きも。ベジタリアンやハラルの人も。それぞれが満足できるよう、いつも工夫してそれぞれに対応した様々な料理を出してくださいます。
例えば、ある1日の献立:
生ハムとチーズの盛り合わせ/グリーンサラダ/トマトとチーズのサラダ/お造り/ローストビーフ/焼きたてホームメイドフォカッチャ/白ご飯/炊き込みご飯/鶏肉・大根・ごぼうの煮物/鶏のから揚げ/麻婆豆腐/味噌汁/卵スープ/クレームブリュレ
フルーツやアサイースムージーなど、健康に配慮したメニューも豊富なのも嬉しいところ。食後はCTO Rosenがこだわって選んだおいしいコーヒー(カルチャーを体現する「Mujinこだわりのコーヒー」とは?)と共に一息。
ランチの時間は、みんなでおいしいものを一緒に食べながら自然と会話が弾む、Mujinにとって大切な時間です。
Mujinメンバーに話を聞こう
Mujinロゴに込められた想いとは?~ CTO Rosen インタビュー~
何気なく目にする企業や教育機関の名前やロゴ。普段意識する機会は少ないかもしれませんが、実は大切な想いやメッセージが詰め込まれているかもしれません。
では一体Mujinの社名やロゴにはどんな想いが詰まっているのでしょう...?
今回はその謎を解くべく、Mujin CTOであり、社名やロゴを生み出したRosenを直撃インタビューしてみました!
ーー そもそもどうして「Mujin」という社名にしたのでしょうか?
Mujin(むじん)には2つの意味が込められています。ロボットによる現場の「無人化」と、無限のポテンシャルを意味する「無尽蔵」という2つの言葉を掛け合わせました。
Isseiと2人で創業した当初から、世の中でできていない複雑な作業の自動化(無人化)を絶対に実現する、という強い思いを持っていました。
ーー ロボットアームはロゴに入っていないですね?
ロボットアームは入れたくありませんでした。
Mujinはロボティクス企業ですが、ロボティクスとはロボットのハードウェアを作ることとは関係ないからです。
ーー なるほど。左側のMがMujinの「M」を表しているのは分かるのですが、このロゴに込められた意味はなんでしょう?
この規律はAIの鍵となる分散コンピューティングと並列コンピューティングを表しています。ロボティクスは、さらに電気工学・ハードウェア工学・データベース・コンピュータサイエンスなどが組み合わさって成り立ちます。そういった技術が集結している様子、そしてその結果様々なロボットアプリケーションを作り出している様子を表しています。
また、Mが未完成なのは、Mujinの無限の可能性を示しているのです。
ーー mujinという文字はどうですか?
mujinと書かれていますが、「i」が抜けていて、無人を示しています。
さらにこの部分は、胴体のない人の頭に見えますね。
これはMujinがブレイン(脳)の部分を担っていて、ハードウェアでないことを指しています。
ーー ロゴの色にも理由はありますか?
もちろん。さきほどの「i」の点が赤なのも理由があります。
私は日本こそがMujinの拠点として最適な場だと信じています。なので日の丸の意味も込めているのです。
またMの赤とオレンジ色は、火の色であり、エネルギーや力強さ、情熱を意味していて、Mujinの熱いパッションが込められています!
ーー これほどの色々な想いが詰め込まれていたとは....
Rosen、ありがとうございました!
みなさんの大学や企業のロゴにはどんな想いが表されていますか?
辿ってみると、新たな発見があるかもしれません。
Mujinのビジネス
ロボットの知能化?!Mujinって実際何をやっている会社なの?
”ロボットをソフトウェアの力によって自動化し、世界の生産性向上に貢献する”
そんな想いを持って、日本人のCEO Issei とアメリカ人のCTO Rosen とで創業されたMujin。
16か国から集まってきた多種多様な100名ほど(2019/11時点)のメンバーで、製造・物流の問題解決を担っている?!そんな異色のベンチャーMujinは、一体どんな事業を行っているのか。今回解説していきたいと思います。
例えば、物流業界
今日本では、1日に2000人以上ずつ労働人口が減っていると言われています。一方で、EC(Eコマース)は急速に伸びており、物流業界では労働力不足が深刻化しています。
みなさんが普段オンラインでモノを注文すると、倉庫から注文に合わせてモノを取り出し、箱に詰めて出荷するという工程が生じます。一見簡単にロボットで実現できそうなこの作業。しかし実際のところ、物流倉庫に訪れてみると、人の手によって行われている作業がほとんどです。それはなぜでしょう。
産業用ロボットの仕組み
通常ロボットの導入の際には、プロに頼んで”ティーチング”というロボットに動きを教えるプログラミング作業をしてもらいます。「こういう条件だったら、ここを何ミリ動かし、そのあとこの部分を何ミリ動かし...」といった設定をしていきます。
なので、決まった形のモノが、0.1ミリもずれずに同じ姿勢で流れてきて、それに対して同じ動作を行う、といった作業は、ティーチングによる設定がやりやすくなります。
しかし、物流倉庫では、何千もの商品が雑多に流れてきて、そこから指定のものをピッキング(取り出し)していく。しかもモノの位置・姿勢はバラバラ。そんな工程をティーチングでロボットに教えるのは現実的ではなく、これまで人の手でやらざるを得ない状況でした。
Mujinがロボットの知能化を実現
その問題を解決するために、ティーチングなしでロボットを動かすソフトウェアを創り出したのがMujinです。Mujinコントローラを各メーカーのロボットに繋げると、その場でモノの位置や姿勢を認識し、都度最適な動きを自動生成してロボットが動くようになります。これにより、今まで自動化が不可能であった物流倉庫でのピッキング作業も、ロボットで行うことができるようになりました!
▼ロボットの目となる3Dビジョン(右)と、ロボットの脳となるMujinコントローラ(左)
世界初、完全自動倉庫の実現
Mujinコントローラは研究段階ではなく、すでに実際に稼働しています。
例えば2018年夏、中国Eコマース第2位のJD.comが、世界初の完全自動倉庫をつくりました。実はその中のピッキングに関わる工程には、Mujinコントローラ搭載のロボットが使われています!
▼JD.comの全自動倉庫 実際の様子
Mujinだから実現できた
ティーチングなしでロボットを動かす、というのは、「もしもできたらたくさんの問題解決に繋がるが、そんなの夢物語」と何十年も思われてきました。それがなぜ、Mujinで実現することができたのでしょうか。そう思われた方は、ぜひこちらの記事を!ロボットの知能化。それをMujinが実現できた理由。
海外メディア
日本政府公式ウェブサイト:Making Industrial Robots Intelligent To Improve Productivity
日本を代表するイノベーション(Innovation Japan)の1例として、首相官邸のウェブサイトにMujinが取り上げられました。
かっこいい動画に仕上がっているので、ぜひご覧ください!
https://www.youtube.com/watch?v=IWzEO2r69BU&feature=emb_title
Mujinを知ろう
【テレビ】AbemaTV:労働人口不足の救世主 世界が注目する日本の最新AI技術
AbemaTAのニュース番組「けやきヒルズ」にて、Mujinが特集されました。「Appleを彷彿とさせるような、アイディアと勢いがある」というありがたいコメントまでいただきました。
最新ソリューションや創業秘話など、分かりやすくまとめていただいています!動画なので気楽にどうぞ!けやきヒルズ【平日ひる12時〜生放送】 - けやヒルリサーチ - 労働人口不足の救世主 世界が注目する日本の最新AI技術 (19/05/08) | 動画視聴は【Abemaビデオ(AbemaTV)】
また記事にもまとめていただきました。漫才師...。笑“漫才師みたいな2人”が物流業界に革命! 「考えるロボット」を開発した日本のAIベンチャー