Mujinのコアプロダクトである「Mujinコントローラ」。一体どういうものなのか。結局何がすごいのか。今回ご紹介させていただきます。
この黒い箱が、世界初の汎用的知能ロボットコントローラ「Mujinコントローラ」です。産業用ロボットに接続することで、ロボットを”知能化”するものです。でも、知能化がなぜ必要なのでしょうか。
産業用ロボットの普及を阻んでいる原因
少子高齢化が進み、労働力不足は加速する中で、自動化やロボットに対するニーズは年々上がっています。一方で、産業用ロボットはそれに比例して爆発的に普及している訳ではありません。それには、こんな理由があります。
1.導入時の設定が複雑で、時間とお金がかかる
一般的に産業用ロボットは、工場や倉庫に持っていくと即座に動き出すというものではなく、導入時にティーチングと呼ばれる設定作業が必要でした。ロボットの動きを1つ1つプログラミングして設定するもので、下の動画のようになかなか根気のいる、そして高度な技術が必要な作業です。限られたプロしか対応できず、時間とお金がかかる作業なのです。そのため、ロボットの導入はハードルが高く、普及を妨げる理由となっていました。
参考)ロボットティーチングの様子
2.導入設定のプロの力量によって、稼働後の能力が左右される
特に、複雑な工程のティーチングはプロの技が輝くところです。
どうセンサー等と連携させて、どうロボットを動かすかによって、稼働後の精度や動くスピード等が大きく変わってきます。
そのため、ロボットは導入設定してみないと、能力がどのくらい出るか分からない、といったことも起こり得るのです。そうすると、ロボットの導入効果を予め想定することができず、導入に踏み込むことも難しくなってしまいます。
3.そもそも繰り返しの作業は得意だが、臨機応変な対応は難しい
それでもロボットは導入時にティーチングされた動きを忠実に繰り返すことができ、反復作業(例えば塗装工程など)の領域を中心に大活躍をしています!
一方で、状況が都度変化し、動きも変わってくるような場面では、そもそもロボットの導入が難しいとされていました。例えば、物流倉庫での「バラバラに積まれたモノを取って置く」という工程。商品は超多品種で、日々入れ替わり、また一つ一つの商品の位置や姿勢はばらばらのため、事前にあらゆる場面を想定してロボットに動きをティーチングしておくというのは現実的に不可能です。
このように、臨機応変な対応が必要な工程では、そもそもロボットを使うことができなかったのです。
ロボットの知能化を実現し、ティーチングなしで動くように
そのような問題を解決するために、開発をしたのがこのMujinコントローラです。既存のロボットに接続すると、ロボットが知能化され、その場で最適な動きを自動生成できるようになります。ティーチングが不要となるので、下記のことが実現されます!
- 導入期間が短縮、導入コストダウン
- 稼働後の能力を予め予測、品質安定
- これまで不可能であった複雑な自動化
現場での実績
Mujinコントローラは様々な現場で取り入れられ、自動化を実現してきました。
製造と物流の様々な現場で、ロボットが稼働しています。
色々な実例は、こちらからご覧ください。
功績が認められ、多数の受賞
MUJINコントローラは、技術革新やその社会貢献性などが認められ、これまで多くの賞をいただいています。
- 2016年 第7回 ロボット大賞 経済産業大臣賞
- 2018年 第10回 日本ロボット学会 ロボット活用社会貢献賞
- 2018年 日本機械学会賞(技術)
- 2020年 第2回 日本オープンイノベーション大賞 内閣総理大臣賞(大賞)
- 2020年 第27回 日本MH大賞 特別賞
- 2021年 第9回 技術経営・イノベーション大賞 文部科学大臣賞
今後もこのMujinコントローラを中心とした開発を進め、ロボットの可能性を拡大しソリューションを提供していきます。