独自のロボット知能化ソフトウェアで実現した1,000ケース/時の高能力
Mujinは、協和紙工株式会社様の第2ロジスティクスセンターにて、知能ロボットシステム「MujinRobotデパレタイザー」2台を用いて、出荷ケース荷下ろし作業を自動化いたしました。マルチピック機能をマスターレスで実現したMujinRobotデパレタイザーは、新品種追加時にもケース情報登録が不要のまま、圧倒的な高能力を維持することができ、本センターの環境下では1台で、1時間あたり1,000ケース以上の荷下ろしを実行します。これにより、出荷能力を最大70%向上し、安定的な出荷体制の構築を実現いたしました。
圧倒的高能力を可能にしたマルチピックxマスターレス
ケース荷下ろしを実行するMujinRobotデパレタイザーは、ロボットの目にあたる「Mujinビジョン3D」がケースを正確に認識後、脳にあたる「Mujinコントローラ」が動作を計算し、ロボットを動かします。Mujinコントローラには、独自の「ロボット知能化ソフトウェア」を搭載しているからこそ、自律的に最適な動作を行うことができ、高能力を実現します。
本センターへ導入したMujinRobotデパレタイザーの最大の特徴は、高度な知能化ソフトウェアによって、マルチピック機能をマスターレスで実現させた点です。マルチピック機能とは、ケースの姿・配置を認識の上、物理的に可能な場合には複数のケースを同時に荷下ろしするもので、高い搬送能力を実現します。事前の商品情報登録を必要としないマスターレス運用により、新しい品種が追加された場合にも、ケースの姿・配置を自動で認識し、マルチピックの可不可も含めて、最適な荷下ろし方法を自律的に計算し実行します。マルチピックをマスターレスで実現したからこそ、ケースの事前情報が不要で、混載の積荷にも対応できるロボットとして、圧倒的な高能力を発揮することが可能となりました。
本来産業用ロボットは、事前にプログラミングされた動きを実行するものです。高能力を実現するには、ロボットの動作ロジックを細かく設定しておく必要があります。また、ロボット周辺環境に何かしらの変化が発生した場合は、適切な動作を再度プログラミングする必要があります。
例えば、高能力発揮のためマルチピック機能を実装しようとすると、予め取り扱うケースをマスター登録し、各ケースに対しマルチピック適否を設定した上で、ロボットの動作もプログラミングしておく必要があります。
しかし、それでは新しいケースを取り扱う際にはいちいちマスタ―登録が必要になるため、扱うケースが多種多様であったり変化の激しい物流現場では、現実的ではありません。
対象物やロボット周辺環境をリアルタイムで認識し、その結果に合わせて自律的にロボット動作を生成するMujin独自の「ロボット知能化ソフトウェア」だからこそ、ロボットへ事前情報を与えることなく、初めてのケースに対しても周辺環境も考慮したうえで最適な動作を実行できるので、マルチピックのような複雑な機能もマスターレスで実現し、能力を極限まで高めることができます。
作業計画が立てやすく、残業時間削減にも貢献
協和紙工様は、製品開発力に強みを持たれているだけではなく、好調なビジネスを下支えする物流システムの強化にも継続して注力されている企業です。今回、安定的な作業者の確保に苦労されていることや繁忙期の残業発生を課題として持たれており、MujinRobotデパレタイザーの導入を決められました。
1時間あたり1,000ケース以上の荷下ろしを実行するMujinRobotデパレタイザーを2台導入されたことで、以下の変化がありました。
- 人員確保の課題に影響されず、出荷作業が継続可能な体制に
- ロボットの安定的労働力をもとに、精度の高い作業計画が策定可能に
- 業務効率化により、定時より前倒しで作業が完了するように
- 出荷能力が最大70%向上
今後もMujinは、お客様の課題や物流現場に合わせたMujinRobotをご提供することで、作業負担軽減や業務改善を通してお客様の社業に貢献できるよう取り組んでまいります。
本工程を実現した「MujinRobotデパレタイザー」
MujinRobotデパレタイザーは、物流現場における単載・混載ケース荷下ろしの自動化ソリューションで、段ボールケース、大型紙袋・ポリ袋、コンテナ・オリコンなどの多種にわたる対象ワークに対応可能です。また、Mujinコントローラで一括制御しているからこそ、導入後に万が一何かあった場合でも、遠隔ですぐに対応可能なサポート体制も整えております。