自動化を行う20の理由

Mujinはロボットを知能化し、物流・製造におけるこれまで不可能であった複雑な作業の自動化を実現している企業です。

そもそも自動化は何のために行うのでしょうか。自動化はただ人件費を抑えるもの、ではありません。各社が自動化を進める理由・自動化によって得られるメリットについて、今回は物流倉庫を例にご紹介したいと思います。

ビジネスの継続

1. 人手不足への対策

物流現場においては、ECの急速な発展もあり労働需要が高まっている一方、人手不足が深刻化し、人材確保が年々厳しくなっています。

厚生労働省の調査によると、生産年齢人口は1995年をピークに減少を始め、今後も減少傾向が続きます。2015年では7,728万人であったのが、2065年には4,529万人になると言われています。2015~2065年で3199万人の減少。つまり平均するとたった1日で1753人も減少するという計算になります。

こうした事情を踏まえ数年先を見据えたときに、「人に頼ったオペレーションを続けていくと人材確保が間に合わず、ビジネスが立ち行かなくなるだろう」「自動化をしないと回らない」と、必然的に自動化に踏み切るケースも増えてきました。

人に優しい労働環境

2. 作業者の負担軽減

30kgの重い荷物を持ち上げる重労働。寒い・暑い過酷な環境での作業。時には、作業者が腰を痛めてしまったり、体調を崩してしまうこともあります。また、単純な作業の繰り返しも、ミスなく長時間続けることはなかなか困難なことです。

こういった危険・過酷な作業を自動化することで、作業者の負担を減らすことができます。働きやすい環境を整えることで、長く安心して働くことができます。

3. 感染症に対するリスク軽減

新型コロナウイルスのような感染症が発生した場合でも、生活を支えるインフラである物流は、止めることができません。人が集まることがリスクと考えられる状況でも「人がいないと回らない」という環境であれば、誰かが現場に出向いて作業をしなければなりません。

自動化によって省人化を進めることで、感染拡大のリスクを軽減することができます。

コストを抑え、生産性の向上

4. 人件費の削減

人によるオペレーションには、もちろん人件費がかかります。最低賃金は年々上昇し、人手不足が進む中で、十分な人材を確保するためには十分な人件費を確保しないといけません。

今後も上昇し続けるであろう人件費を考慮にいれると、自動化で抑えておきたいというニーズがあります。

5. 採用コスト・育成コストの削減

人によるオペレーションでは、人件費はもちろんのこと、人材を確保するための採用コストや育成コストもかかります。採用の際に必要な広告費・採用面接にかかる工数・新しく人を受け入れる工数・既存メンバーが新メンバーに裂く育成工数、そういった細かなコストの削減も、積み重ねると大きくなります。

6. シフト管理工数や精神的負担の削減

倉庫のオペレーションは、短期でのバイトや派遣も多く、シフト管理者にも負担がかかります。当日急にメンバーが来ない場合には人員配置を考えなおす必要も出てきます。管理者は「今日人が来なかったらどうしよう」といった不安を日々感じていることも多く、そういった精神的負担も、当人の生産性を下げている場合もあるのです。

管理者のシフトへの余計な心配を取り除き、目の前の業務に集中できる環境を整える、というのも生産性を高める1つの要因となり得ます。

7. 人のオペレーションだからこそ必要であった設備の削減

人のオペレーションを前提にしているからこそ必要なモノや設備も実は多くあります。人が快適に働けるように考えられた空調や電気。人が歩いたり作業するための空間。更衣室やお手洗い、ダイニングなど。モノをピッキングする際に参照する注文書などの紙や印刷時のインクなどももちろんコストとしてかかってきます。

こういった細かな点も考慮にいれると、自動化することによるコスト削減は単に人件費だけではないと気づきます。

自動化特有のメリット

8. 物流品質の担保

人によるオペレーションは、個人によって作業のスピードに差が出たり、疲れによるミスなどがどうしても発生してしまいます。「計画していたスピードで作業が進まなかった」「商品の取り違いミスにより、追加で返品作業が発生してしまった」といった問題を自動化は解決し、安定したスピードで、高い品質を実現することができます。

9. 人ならではのトラブルを削減

人であれば、病気や怪我で急に現場に来れなくなってしまう。周りの人たちとのトラブルで、モチベーションが下がってしまう。場合によっては、作業中に紛失や盗難が発生してしまう、といったことも起こり得なくはありません。

そういったトラブルも自動化によって回避することができます。

10. 24時間稼働

人は1日基本8時間労働で、もちろん休憩も必要です。一方自動化設備であれば、24時間稼働し続けることも可能です。夜間の人が寝ている間に作業を自動で終わらせておく、といったことも可能となります。

11. データ化

自動化設備を利用すると、作業内容がデータとして溜まっていきます。いつ、何が、いくつ、どこへ運ばれたか。何か予期せぬエラーが起こった場合、人が作業している場合はすべてを追って検証することが難しいですが、自動化によりデータが溜まっていれば、遡って解析することができます。

工程をデータ化することで、トラッキング・予測・分析等に利用し、戦略が立てやすくなります。

12. 有事の備え

感染症発生時・災害時などには人が確保できず、ビジネスを止めざるを得ないといった状況が起こり得ます。人が集まれない、物量が増大するといった場合にもオペレーションを続けられるよう、有事の備えとして、BCPの観点からも自動化に対する関心が高まっています。

13. 「人が触れない」という付加価値

扱う商品に指紋が分かりやすく付いてしまうと、商品価値が下がってしまい、売り物にならないといったことも起こり得ます。特に新型コロナウイルス発生以降、「人が触れていない」というのが価値としてとらえられる傾向が高まりました。

自動化によって「人が触れない」物流の実現にも繋がります。

信頼獲得・ブランディング向上

14. 取引先からの信頼獲得

自動化によって有事への対策をしておくことで、緊急時にも安定して商品を供給し続けることができます。結果、取引先からも万が一の場合にも対応ができるという点で、信頼を得やすくなります。

15. 認知度の向上

ロボットなどを利用した最先端の自動化は、まだまだ世界でも新しい事例です。こういった新しい技術を取り入れることで、最先端の取り組みとして注目が集まり、企業や製品の認知度向上に繋がることもあります。

16. 就職先としてのイメージ向上

働きやすい環境づくり・最先端の取り組みを積極的に行っている企業は、働く側からも魅力に映ります。多くの人材・優秀な人材の確保に繋がることも考えられます。

長期的な視点

17. 改善意識の向上

作業に追われていると、その日の仕事をこなすのに精いっぱいで、業務改善や新しい取り組みに目を向けるのは難しくなります。作業を自動化し、設備を管理する側に回ると、「こうしたらもっとよくなる」「ここが問題だから解決できないか」と前向きに改善を検討できる余裕が生まれることがあります。

18. 新センター設立しやすさの向上

ビジネスの状況に合わせて、ここぞというタイミングでスピーディーに新センターを設立・稼働したいという場合は、自動化をしておくと、素早く同等のクオリティを実現しやすくなります。

人を採用して作業をしてもらう場合、人材募集をして、採用活動をし、研修を実施する必要があります。過去に立てたセンターと同じように実施すればうまくいくということではなく、その土地・時代に合った給与水準・教育水準に合わせて給与設定・採用戦略立て・研修を行う必要が出てきます。特に海外ともなればその違いは大きく、バックグラウンドも異なるので研修を一から準備する、といったこともあります。

自動化をしておくと、その土地に合わせたカスタマイズは必要なく、すぐに既存の自動化工程を複製し、異なる場所でも実現することができるようになります。

19. 物流業界の活性化

物流業界の人手不足がメディア等で大きく取り上げられるようになったのは、2017年あたりから。物流の改革は、まだまだ新しい領域です。各企業が自動化に勢力的に取り組むことで、さらに注目も高まり、優秀な人材も集まり、物流業界全体の活性化にも繋がります。

20. 自動化・ロボット産業の発展への貢献

日本は戦後の急速な経済成長を遂げる中で、自動化に意欲的に取り組み、世界でも有数の「ロボット大国」と言われるようになりました。高品質な機械を実現するためには、現場に入れて改善をし続けることが不可欠です。

物流における自動化・ロボット産業は、まだイノベーション途中です。これらにいち早く取り組むことで、自動化・ロボットを使いこなして他企業よりも優位に立つだけでなく、産業の発展を引き上げるという大きな貢献にも繋がります。

このように、「ビジネス継続」「人に優しい労働環境」「生産性向上」「自動化特有のメリット享受」「信頼獲得・ブランディング」「長期的視点」など自動化を行う目的は企業によって様々あり、各企業が強い競争力を保つため、目指していることを実現するための手段として自動化が検討されます。

Mujinはこれからも「ロボットの知能化」によって、これまで人がやらざるを得なかった複雑な工程の自動化を実現し、各企業様に貢献できるよう尽力していきます。

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