今年は、Mujinで初めてリーガル部門にKanahaさんというインターン生をお迎えし、Mujinメンバーと共に貴重な時間を過ごしてくれました!Kanahaさんは、現在東京大学ロースクールに通っており、大学で開催されたあるプログラムにMujinの共同創業者である滝野が登壇した際に聴講してくださったのをきっかけに、今回のインターンにご縁がありました。
ではなぜMujinのリーガル部門に興味を持っていただけたのか?彼女の想いや、2か月を過ごしてどのような学びがあったのか。実務で体験した「守りと攻め」の法務の魅力まで、Mujinリーガルでのインターンシップ体験について話を伺いました!

あえて法律事務所ではなく、企業のインハウスリーガルを選んだ訳とは
まずは、Mujinのインターンシップを見つけたきっかけを聞かせてください。
Mujinとの出会いは、大学で受講していた「アントレプレナーシップ道場」でした。Mujinの創業者であるIsseiさんがゲストスピーカーとして登壇されており、その講演に強く惹きつけられたのがきっかけです。 講演後に行われた懇親会で、Mujinには複数のインターン募集があることを知りました。各部署が独立して募集しているのが新鮮でしたね。
当初はコンサルティング部門にも興味がありましたが、直接リーガルチームの方々とお話する中で、「やはり、今自分が勉強している専門性を最大限に活かせる分野が良い」と思い、最終的にリーガルチームでのインターン参加を決めました。
Isseiさんの講演がきっかけだったんですね。でもなぜ、法律事務所ではなくインハウスリーガルを選ばれたのですが?
ロースクール生にとってはおっしゃる通り法律事務所でのインターンを選ぶのが一般的です。しかし、Mujinのリーガルチームでは、事業の中枢に身を置くからこそ得られる成長があるとお話を聞いてて確信したからです。強く惹かれた理由は主に二点あります。
一点目は、「企業内(インハウス)の視点」から法務に携わるという貴重な機会です。インハウスロイヤーの思考や、企業の意思決定に深く関わる内部の専門家に求められること、そして事業戦略に直結する実践的な法務を学びたかったのです。
二点目は、ソフトウェア x 産業用ロボットという最先端の成長産業にリーガル面から関われる点です。 Isseiさんの講演を機に、今後の発展と社会的重要性の高さに関心が高まりました。加えて、リーガルチームの皆さんから、この分野は知的財産や権利に関わる問題が非常にシビアであることと、MujinではIPや会社法関係などチーム内で担当を分業していることを聞き、高い専門性を感じました。技術の発展に法律の専門家はどのように貢献できるのか、知的好奇心が刺激されるとともに、成長著しいMujinにおいてこのチームで働けることに強い魅力を感じました。
また、一般的な法律事務所のインターンが採用活動の一環としての数日間だけのプログラムが多い中、Mujinのインターンは二ヵ月にわたって実務を深く経験できる形式でした。「より実践的なスキルを磨きたい!」という私のニーズに完全に合致していたことも、決定を後押ししました。
このような理由から、一般的な選択肢ではない上、これまでロボットに関する知識や関わった経験も全くありませんでしたが、未知の領域に思い切って飛び込んで挑戦してみようと決心しました。

挑戦しようと決めてインターンを開始してからは如何でしたか?インターン中に最も印象に残ったプログラムなどあれば、教えてください。
最も印象的だった業務は、「新入社員向けのコンプライアンス研修資料のアップデート」です。テーマの選定から、判例や法改正の調査、資料作成まで、一から任せていただきました。馴染みのない内容を、法を専門としないメンバーの方々に、約20分という限られた時間で、分かりやすく伝える工夫をする中で、自らの深い理解と相手のニーズを把握する視点の重要性を実感しました。このプロジェクトを通じて、社内ガバナンスの観点、他部署と調整を図るプロセス、そして法令を社員の行動につなげる橋渡しなど、教室や法律事務所では体験できないインハウス(企業内法務)ならではの経験を得られました。
他にも、秘密保持契約書(NDA)や取引基本契約書、工事安全基準の社内文書等、架空事例ではない生の法的文書をレビューに参加できたことも、非常に価値のある経験です。特に工事安全基準の社内文書のレビューに参加した際、参照されていた基準が古い建設基準に基づいていることを発見しました。この経験から、日々変わるレギュレーションに対応しながらビジネスを推進することの必要性と難しさを肌で感じる事ができました。
さらに、インターンを通して国際弁護士とパラリーガルの経験者の方々がそれぞれメンターとして付いてくださり、別角度からの実践的なインプットが得られたことも、大きな学びとなりました。
インハウスリーガルならではの実務に触れたことで、授業で学ぶ法律と、企業内での実務との違いは何でしたか?
授業では、既に発生した事実が適法か否かを検討することが多く、事後対応や「守り」の視点になりがちです。しかし、インハウスでの実務では、「Aをしたいが、これは違法にならないか?」「適法にAをするにはどうすればよいか?」という予防法務的な視点が常に求められました。経営の意図や他部署からのリクエストを深く考慮し、リスクを軽減しながら、いかにビジネスを前進させるかという「攻めと守り」のバランス感覚を体感できたことが、授業と最も違う、新鮮な学びです。
また、部門を横断して事業推進に貢献する法務のあり方を体験できたことも魅力的でした。インハウスロイヤーは、「独立した法律事務所」ではなく、組織に所属するエキスパートとして、他部署との連携を基盤とします。営業や財務など、各部門の要求を汲み上げたり議論したりしながら、法的な観点から経営を前に進める役割や現場で直面している法的課題に、迅速かつ柔軟に対応する役割を担っていることを肌で実感できたことも非常に大きな収穫でした。
教室では学べない、このような貴重な経験をさせてくださったリーガルチーム、そしてMujinの皆さんには感謝してもしきれません。

Mujinのリーガルインターンシップは、「法律を勉強してみたけれど、弁護士になりたいのかまだ分からない」と迷っている方や、企業内弁護士の姿を見たことがない方にとっても、今後のキャリア観に新しい視点をもたらしてくれるとKanahaさんは話してくださいました。法律分野での可能性を広げたい方は、ぜひ従来の選択肢に囚われず、チャレンジしてみてください!