2021年7月6日、Mujinは創立10周年を迎えました。逆境の中、日本の小さなガレージからスタートし、トレンドに左右されず本質を追及することで、Mujinだからこそ提供できる知能ロボットソリューションを築いていき、多くの企業様と社員に支えられながら、この節目の年を迎えることができました。
逆境の中で生まれたMujin
Mujinが創業したのは、2011年。リーマンショックに続き、東日本大震災が発生した年でした。経済は低迷し、失業率は高く、自動化にとっては逆風と言える状況でした。しかし長期的に考えると、少子高齢化が進む中、将来労働人口不足となるのは明らか。一番ロボットが使われている製造業であっても、ロボットによる自動化が十分に進んでいるとは言えない状況。手遅れになる前に自動化の推進を図らなければならないと、Mujinは生まれました。
文京区小石川の41平米のガレージにカーペットをひき、オフィスを構えスタートしました。
サービスロボットがトレンド
創業当初の2013年にはデアゴスティーニ・ジャパン社から会話ロボットRobiを組み立てていく週刊「Robi」の発売開始。2014年には、感情認識パーソナルロボットのPepperが発売。そこから今日に至るまで、やはり「ロボットと言えば、サービスロボット」が世間の風潮です。
しかし、Mujinはそのトレンドとは逆行し、地味と言われ続けても、一貫して産業用ロボット分野に注力し続けました。その根底には、「自分たちの技術で社会問題を解決したい」という創業者の強い想いがありました。
時代はディープラーニング
さらに創業当初、世間では「第3次AIブーム」が巻き起こり始めていました。きっかけは、2012年に行われた「ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge(ILSVRC) 2012」という画像認識コンテストで、トロント大学のGeoffrey Hinton教授のチームが初めてディープラーニングを適用して圧勝したこと。また同年にGoogleがディープラーニングを使って、猫の画像認識に成功したこと。この2つの出来事によって、ディープラーニング(深層学習)に一気に注目が集まり、一般的に、ディープラーニング=AIと認識され第3次AIブームが起こりました。
一方、Mujinが当初から開発の基軸にしていたのは、「モーションプランニング(動作計画)」という技術でした。製造や物流現場などの確実性が求められる環境においては、ロジックがブラックボックス化するディープラーニングではなく、計算に基づいて解を求めるモーションプランニングを使わなければならないと、考えたのです。同技術のロボットへの応用は長年不可能と言われていた状況の中、そしてディープラーニングがトレンドとなっている中、Mujinは信じて突き進み、モーションプランニングを基にした知能ロボットを実現させていきました。
創業10年を迎えて
逆境の中、2人の創業者によって設立されたMujinは、時代に流されることなく、信じた道を突き進み、10年間やってくることができました。今では社員数150名を超える会社となり、18の賞を受賞し、600を超えるMujinの知能ロボットが世界の現場で動いています。
Mujinの目指す「過酷な労働から人々を解放し、人類が創造性、技術革新、そして世界をより良くする活動に注力できる世界を実現する」というビジョン実現に向けては、まだまだ道半ばです。人にやさしく働きやすい工場・倉庫の実現。生産性向上・クリエイティブ業務に注力できる環境により、強い企業の実現。人が効率的に働き、趣味や大切な人との時間をより多く過ごせるような世界の実現。引き続きこれらを掲げ、ロボットの可能性を広げ、自動化の推進を加速させていきます。
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