ロジスティクス大賞 ロボティクス・イノベーション賞を受賞しました!

Mujinは、「混載ケース積み付けの自動化実現~MujinRobotパレタイザーの開発~」について、2021年度ロジスティクス大賞におけるロボティクス・イノベーション賞を受賞いたしました。

重労働にも関わらず、これまで技術的に難しかった物流センターにおける混載ケース積み付け作業の自動化を実用化し、高負荷な作業を廃した「人にやさしい物流」を実現する優れた取組として評価いただきました。

ロジスティクス大賞とは?

公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会によって主催されている、ロジスティクス推進に向けて優れた実績をあげた企業を表彰するものです。ロジスティクスの社会的浸透と、ロジスティクス部門関係者の意識高揚を図ることを目的に創設され、企業で行われているロジスティクス高度化への取組みと、その優れた実績を顕彰するもので、今回で第38回を迎えます。

表彰制度:ロジスティクス大賞|日本ロジスティクスシステム協会より抜粋)

本ソリューションで自動化実現をした、積み付け(パレタイズ)の工程とは?

パレタイズとは、荷物を積んでいくこと。主に倉庫内の出荷工程で行われる作業です。

<流れの一例>
①各納品先に、何をいくつ出荷するかが書かれているピッキングリストを受け取る
②出荷する製品を探しにいく
③パレットやかご車などの什器に積み付ける
④什器ごと、トラックに持って行き出荷

何からどう並べるべきなのか、これは経験によって身につくもので、未経験者がその場ですぐできるものではありません。数十キロの重い荷物を扱い過酷かつ経験がないと難しい作業なので、倉庫内でも、特に人員を確保するのが大変な工程です。

パレタイズ自動化の難しさ

高度なパレタイズ作業の自動化のニーズは高いものの、実用化レベルでの実現は、各社苦労をしていました。自動化するにあたっては、あらゆることを考慮しなければならず、技術的難易度が非常に高かったからです。

① 出荷元や出荷先にとって最適な積み付け

積み付け工程では、通常熟練した担当者が、下記のようなことを考慮しながら、最適な積み付け方を都度判断して作業をしています。

・崩れないようバランスをとる
・重いものを下に置く(他の荷物を潰してしまうのを防ぐ)
・積載効率を高める(郵送費を抑える。例えばかご車が1台→2台になると、それだけ輸送費がかさんでしまう。)
・同じカテゴリーの商品を近くにまとめて積む(出荷先で陳列する際の効率を考慮する)

② ロボットの可動域

さらに、ロボットで対応するとなると、ロボット特有の動作制限も考慮しなければなりません。ロボットが動く軌道上すべてにおいて、下記が担保されている必要があります。

・ロボット本体の、かご車などの什器への干渉回避
・ロボット本体の、段ボールなどの対象品への干渉回避
・特異点(ロボットにとって構造的に制御できず、停止してしまう姿勢)の回避

そのため、積載効率のよい積み方だけでなく、「ロボットで積むことができる積み方」を念頭に置かなければいけません。

③ 速度と品質の担保

①②を考慮しても、処理能力が低かったり、ことあるごとに止まってしまっては、現場での実用化には至りません。
速度と安定性を担保できるような積み方・運搬時のロボット軌道を実現する必要があります。

MujinRobotパレタイザーの開発

Mujinは、これまで提供してきた知能ロボットソリューションを通して得た知見を基に研究を重ね、上記のような難しい課題を乗り越え、本工程を自動化するMujinRobotパレタイザーを開発しました。

実用化レベルでの運用の担保・不測の事態の回避のための様々な機能を実現し、現在は多くの現場で実際に活躍しています。

MujinRobotパレタイザーの仕組み・具体的な機能等、詳細はMujinRobotパレタイザーの特徴を解説をご覧ください。

受賞事由

ロジスティクス大賞受賞に際し、以下のコメントをいただきました。(2021年度ロジスティクス大賞 受賞6事例決定!!より抜粋)

国内の労働力人口が減少していく中で、物流業界においては深刻な人手不足が問題となっている。また、女性や高齢者でも働きやすい労働環境の実現が求められており、庫内作業における重労働からの解放が求められている。しかし、小売店舗への出荷など、寸法等の異なる複数の商品をかご車に積み合わせて出荷する作業の自動化は実現されていなかった。
このような状況の中で、本取組では研究を重ね、異なる寸法、重量のケースを、荷崩れしないように、荷物の押し潰を避けるため重量物を下に置くなどのルールを考慮した上で、さらには出荷先の陳列効率やトラックの積載効率を考慮して、かご車等に積み付けることを可能とするロボットを開発した。そして、1台のロボットで、パレットやかご車など複数の什器に積み付けることができるほか、什器のゆがみを検知してロボットの動作を補正することが出来るなど、汎用性と可用性を実現している。
この取組は、作業者にとって高負荷な作業を廃した「人にやさしい物流」を実現する優れた取組として評価された。

これからもMujinRobotの提供を通して、人が働きやすい環境の実現を推進していきたいと考えています。

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